UP 2012.10.18 ISH
シニア自然大学校環境科2012年度10月度 施設見学
京都府庁屋上緑化(京てらす)と府庁旧本館
世界遺産  元離宮二条城を身近に感じよう
■日時:2012.10.12(金) 10:00〜15:30 天気 晴
■集合:京都地下鉄烏丸線 丸太町駅北改札口 9時30分
■行先:京都府庁〜二条城
■参加者:環境科 42名

京都府庁旧本館

二条城東南隅櫓


京都府庁

 京都府庁旧本館

京都府庁旧本館は、明治37年(19904年)12月20日に竣工した。 1971年までは府庁本館として、現在も執務室や会議室として使用されている。 
創建時の姿を留める現役の官公庁建物として日本最古の物である。 2004年に国の重要文化財に指定された。 ルネサンス様式の建物の外観は西洋近世の大邸館を思わせるが、建物内部は和風の優れた技術が巧みに取り入れられている。
設計者の松室重光は明治6年京都生まれ、東京帝国大学で西洋建築を中心とする建築学を学んだ。 
松平容保の屋敷跡に建てられ、中庭は小川治兵衛の作で「しだれ桜」の名所である。

京都府庁の広報係の笑顔で迎えていただいた

映画の撮影にも使われた格調高い正面階段

正庁で説明を受けた

旧知事室

中庭のしだれ桜

接続しなかった渡り廊下(重要文化財を傷つけないため)
京都府庁屋上緑化「京てらす」
屋上西側には太陽光発電設備が2009年に設置され年間約4万KWの発電を行い、府庁消費電力の1%を賄っている。 また府庁2号館入口に設置されている電気自動車への充電設備への供給も担っている。建物外観に影響を与えない様にパネルの傾斜を通常の30度より低い5度に設定してあり、発電効率は通常の95%位だそうだ。

屋上に設置された太陽光発電パネル

太陽光発電設備の説明

発電量デジタル表示板の数字が刻々と変わる
屋上東側約600uは、芝生・植栽・壁面緑化・府民参画エリア・源氏の庭として全面的に緑化されている。要所毎に温度計が設計され緑化の効果を表示している。使用水は雨水・井戸水である。 協賛事業者・市民参加等緑化維持体制が上手く設定されており、各人の努力が結集している。

府庁屋上緑化 「京てらす」

屋上緑化の効果の説明

満開のフジバカマ
電気自動車急速充電設備
一回の充電で120km走れる電気自動車への急速充電設備が京都府内に31基設置されており、30分間で充電できる。 尚夜間に家庭で充電するには7時間必要である。

電気自動車用急速充電設備

充電開始

早目の昼食ですいていた食堂

京都府広報監まゆまろ君と一緒に記念撮影

二条城
江戸時代の平城であり、徳川家康の将軍宣下の伴う賀儀と、徳川慶喜の大政奉還が行われ、江戸幕府の始まりと終焉の場所である。 
1603年徳川将軍家康が京都御所に守護として将軍上洛時の宿泊所をして造営し、三代将軍家光が伏見城の遺構を移すなどして1626年に完成した。 慶長年間の建物と絵画彫刻等いわゆる桃山文化の全貌を表している。 1867年の大政奉還後朝廷の物となり1884年に離宮となった。1939年に京都市に下賜され1994年にはユネスコの世界遺産に登録されている。

二の丸御殿の紋章は原則「菊の御紋」に置換されているが、あちこちに徳川家の「葵の紋」が残っている。 栄華を極めた歴史の展開の速さが垣間見える。

庭園

二の丸庭園は池の中央に蓬莱島その左右に鶴亀の島を配した書院造庭園で小堀遠州の作である。 
主に大広間・黒書院・行幸御殿の三方向から見られる様式である。 二の丸御殿の廊下を縁側横地面から覗けるようにされており、「うぐいす張りの廊下」の構造を観察できる。

二の丸庭園

二の丸御殿と庭園

うぐいす張りの仕掛けを観察
展示・収蔵館
(内部撮影禁止)
元離宮二条城の築後400年記念として建てられた建物である。 1972年から二の丸御殿の障壁画の模写が行われ完成した模写を御殿に展示し本物を収蔵している場所で、その一部に展示場が設けられている。 今回は「秋の名所と冬の花鳥」というテーマで非公開区域の障壁画が展示されている。描かれた時点に戻るのでなく現状そのままを再現する保存方法が採られている。 天然の素材を用い伝統的な技術と保存継承が行われている。

収蔵館までの束の間の場内散策

展示・収蔵館
二の丸御殿
(内部撮影禁止)
二の丸庭園が良く鑑賞できるように雁行の形に建物を配した構造になっている。 武家風書院作りの代表的建築である。 当侍、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院の6棟が東南から西北に雁行に並んでいる。 各部屋の障壁画は狩野派により、部屋の目的に応じて描かれている。
厚さのある欄間の立体彫刻、飾り金具、長押の花熨斗形の釘隠し等が豪華を極め、立派な御殿を飾っている。


国宝二の丸御殿入口

雁行した御殿建物

本丸櫓門
感謝
観光ガイドの皆様全員が個人では気が付かない様な事柄まで丁寧に説明して下さり、とても深く理解できたと改めて心より感謝する。 
天気も良く内容も充実して満足できる一日であった。

文/宮中、写真/荘司、北仲、編集/石井
                                                                                    企画、世話役/河合、宮中

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