UP 2012.10.08 ISH
シニア自然大学校環境科2012年度10月散策会
上賀茂神社から賀茂川堤を歩き下鴨神社へ
■日時:平成24年10月5日(金)  晴れ
■集合:北山駅10時00分
■行先:上賀茂神社及び周辺散策〜賀茂川堤(半木(なからぎ)の道)〜下鴨神社及び糺の森散策
■参加者:環境科 38人
京都の三大まつりの一つである葵祭の行列は御所を出発し、世界遺産下鴨神社(賀茂(かも)御祖(みおや)神社)から賀茂川堤を行列で進み、上賀茂神社(賀茂(かも)別(わけ)雷(いかずち)神社)へ向かう。今回は逆のルートで両神社の歴史、伝承を学んだ。歩行ルート(4.5km、徒歩1時間)の賀茂川堤の初秋の景色と空気をゆっくりと満喫し、最終「糺の森」を散策した。

地下鉄烏丸線北山駅10時00分集合

バス乗車組と一の鳥居前で10時30分合流

参加者38名ガイドさん2名で出発です


上賀茂神社
葵祭で知られるこの神社は、平安遷都以前に大和國葛城山(奈良市御所市)から移住して当地に居住していた、古代山城の豪族賀茂氏の氏神である。賀茂氏の租神である賀茂(かもの)建(たけ)角(つぬ)身命(みのみこと)の娘玉依(たまより)日売(ひめ)の子賀茂(かも)別(わけ)雷(いかづちの)命(みこと)を祭神としている。
平安遷都後は、王城鎮護の神社としてより一層の崇敬を受け、正一位の格式高い神社となった。(伊勢神宮は、別格で位なし。)その結果祭祀の主体も朝廷に移り賀茂氏の後裔は、神官に任じられ朝廷より未婚の内親王を斎王とすることとなった。
一の鳥居〜二の鳥居ゆったりとした境内の中央を広い参道が続く。左右に立派な枝垂れ桜や桐などの樹木が、悠然と息づき歴史を感じさせる。

二の鳥居

立砂 細殿の前に円錐形整えられた二個の砂山がある

頂上に松葉がのっている
かっては、伊勢神宮の様に式年遷宮の制度がありとりおこなわれていたが、途絶えていた。平成27年に第42回式年遷宮が予定されている。
細殿の前に円錐形整えられた二個の砂山がある。頂上に松葉がのっている。これは、御神体である神山を模したもので神様が、降りてこられるところ(現在鬼門や裏鬼門に砂をまき清めるのは、立砂が起源。)

上賀茂神社楼門

渉渓園 曲水の宴が催される庭園 山口神社前
社家の街
本殿の東側を流れる御物忌川と西側の御手洗川(現明神川)が橋殿で合流する。そこから境内を出るまでをならの小川と呼んでいる。その後境内を出た川は、明神川と再び名を変え神社の南側に形成された社家町を縦貫している。そこは、上賀茂神社の神官の屋敷町であった。現在は、30数軒の社家が残されている。ここに伝わる漬物が、すぐきである。賀茂茄子も特産である。

明神川が流れる賀茂の社家の街

各家は明神川から水を取り込み利用している

すぐき漬の店〈少し時期が早かったようです)
賀茂川堤
桜並木の続くこの堤は、テレビや映画のロケに使われています。桜の写真でも有名です。今日は、まだ紅葉前の桜の下でランチでした。賀茂川からの風は、涼しく、勢いのいいきれいな水でした。

かつては暴れ川であったが現在は悠然と流れる賀茂川

賀茂の流れを見ながら昼食

初秋の賀茂川堤を歩く


下鴨神社

上賀茂神社と同じく賀茂氏の氏神である。祭神は、西本殿に賀茂建角身命、東本殿にその娘玉依日売を祀る。式年遷宮も行われていた。双葉葵の御神紋で徳川幕府には、大事にされていた。みたらし杜 疫病が、流行ったその昔みたらし川の水で洗うと良くなったとつたえられている。
みたらし川の水あわは夏の土用になると足を浸して無病息災を祈る。湧き出るあわを形どったのが、みたらし団子。

下鴨神社大鳥居

本殿入口(本殿の廻りに干支のお社が祀られている)

みたらし川

糺の森

下鴨神社が鎮座する一帯の森を糺の森とよばれている。参道が南北に通じており平安時代以来禊の場所として知られていた。
「ただす」とは只洲につながり、高野川、賀茂川の合流地点からきているという由来と、清水が湧きでることから「直澄」という説など色々ある。
下鴨神社の社叢林としての原生林である。ニレ科などの落葉広葉樹が多く森の中は明るい。

糺の森を歩く

相生社そのえんむすびお杜 そばに「連理の賢木」現在は4代目

御神木

河合神社 

石川や 瀬見の小川や 清ければ 月も流れを たずねてそすむ  鴨 長明


                 方丈の庵
鴨長明は、次男のため河合神社の禰宜になれず、50歳から
放浪の旅にでる。洛南日野の方丈庵で書かれたのが「方丈記」
である。
境内にある持ち運びのできる組み立て式の彼が考案した庵。
茶室の原形とされる。今年は「方丈記」成立800年記念。

秋の七草フジバカマ













河合神社で本日の行程終了、ガイドの北林さん、谷田さん
ありがとうございました





大繁盛の豆餅屋さんでお土産














秋晴れの下、楽しくユーモア溢れるガイドさんのお陰で時間の立つのを忘れるほどでした。神話と真実を上手くミックスして神社は、成り立っているように思いました。趣のある社家の町並、「糺の森」の散策は、気持良い森林浴となり、賀茂川堤は、マイナスイオンたっぷりのまことに健康的な一日でした。歴史と文化の深い京都ですが、自然の豊かさまでも素晴らしいと再認識させられました。当地には、焼き餅、みたらし団子、豆餅 など美味しい和菓子が沢山あり、引きつけられました。

                                                                                      文:田中富美/写真:荘司、北仲/編集:石井

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