UP 2012.12.18.ISH
シニア自然大学校環境科12月度 施設見学及び野外活動
キューピー株式会社伊丹工場見学と伊丹水公園散策
■日時:2012年12月14日(金)
■集合:JR猪名寺駅9時30分集合
■行先:午前 キューピー株式会社伊丹工場見学
     午後 緑ケ丘公園〜瑞ヶ池公園〜昆陽池公園散策・野鳥観察
     
■参加者:環境科 42名
キューピー株式会社伊丹工場見学
(工場内撮影禁止)
  
 天使:キューピッドから採ったキューピー株式会社の伊丹工場を見学。創業90年を超す食品メーカーでマヨネーズやドレッシング等の調味料・加工食品、サラダや総菜類等を製造販売、我々の日々の生活に馴染みのある企業の一つである。こちらの工場では5種類のマヨネーズを生産、その製造工程を見学(マヨネーズの生産、国内で6割のシェア)。


 10時の予定より少し前に広報担当の尾崎さんから会社の概況説明があり、製品紹介のビデオを見てから製造工程の見学。1分間に600個の卵を割る自動割卵機、3層構造の容器や マヨネーズを充填するシステムは、安全に配慮した工夫である事が十分に分かった。
マヨネーズはフランス軍がスペイン・メノルカ島を攻撃した折、指揮官が港町マオンで食したソースを気に入り、マオンのソース⇒「マオンネーズ」から転化した名前の由来や、新しいダブルキャップの容器の紹介等、質疑応答があり11時10分終了。事務所玄関前で集合写真を撮り工場見学を終える。説明頂いた尾崎さんに感謝申し上げます。

緑ケ丘公園〜瑞ケ池公園〜昆陽池公園 散策・野鳥観察
見学終了後は再度猪名寺駅に戻り、北伊丹駅に移動。駅の西側にある県立西猪名公園で昼食。
12:20午後のスケジュール報告後、緑ケ丘公園に向けて出発。途中臂岡天満宮を右に見ながら国道171号線(西国街道の一部)を南下。

臂岡天満宮

賞月亭

たんたん小径を歩く
 緑ケ丘公園では中国佛山市から贈られたという賞月亭を見ながら上池と下池の間の梅林を抜けて“たんたん小径”の東のスタート点に。このたんたん小径は伊丹市の水とみどりのネットワークの散策道の一部で都市環境と景観を配慮して作られた緑道である。散策道にせせらぎを作り(この日は水が流れていなかったが・・・)、道の両サイドにいろいろな樹木を配置した緑道で、伊丹市の花、ツツジやラクウショウの気根は興味を引く光景であった。

ラクウショウの気根
 緑ケ丘公園から0.4kmで瑞ケ池公園へ。この公園は桜の名所であり、南側には日米友好の桜が植樹されている。池の北側は東野で宝塚市の山本にかけて古くから樹木の生産地として有名である。ワシントン・ポトマック河畔の桜は、明治45年(1912)、尾崎行雄東京市長名でアメリカに贈られた桜であるが、伊丹で作られた桜がベースになっている。この東野地区で作られた桜の台木に東京荒川堤の桜を接ぎ木したもので、贈呈して今年は丁度100年である。(日米友好の桜はポトマック河畔の桜からの子孫株である)この桜に対してアメリカから返礼としてハナミズキ(初期の名はアメリカヤマボウシ)が贈られている(大正4年)。贈られたハナミズキの原木(大正4年:白花種40本、大正6年:赤花種13本)は確認されているものが少ないが、東野地区では3カ所で育つ3本が原木と推定されている。確実に原木と確認されている東京園芸高校のハナミズキから採られた子孫株がこちらの小学校で育っており、日米の関係を深めている。

池畔を歩く

ユーカリの大木

日米友好のサクラの子孫
 瑞ケ池公園からたんたん小径をさらに南下、途中住友総合グランド横を抜けて昆陽池に出る(このグランドは昆陽池を埋め立てて出来た)。ここからは野村さんの指導で野鳥観察を実施。水鳥以外の野鳥も期待して伊丹市昆虫館から“ふるさと小路”を散策しながら野鳥観察橋へ。
昆陽池の東側に到着して水面を見渡すとカモ類は少なかったが、目当ての1つだったミコアイサの雄と雌が見られ、色の違いが観察できた。ここではカワウが目立った。
水鳥以外の野鳥も期待して伊丹市昆虫館から“ふるさと小路”を経由して野鳥観察橋へ向かった。 しかし、“ふるさと小路”では、期待が外れてあまり鳥は見られなかった。
野鳥観察橋が見えるところにくると、期待した水鳥が多数姿を見せた。この時公園の職員が一輪車を野鳥観察橋方向に押していくと、池のカモたちが一斉に観察橋方向に泳ぎだした。ここでの生活に慣れたカモは、いつもの職員から餌がもらえると思ったようだが、職員は土を運んでいただけだった。餌撒き時の水鳥の様子は見ることはできなかったが、至近距離でカモ類やユリカモメなどを観察することができた。最後に慣例の鳥合わせを行った。
この日、県立西猪名公園から昆陽池までの散策中に観察したものも含め、山野の鳥と水辺の鳥を合わせると、予想したよりも多い下表の35種を観察することが出来た。

表中の○印は観察された鳥

 昨日までの寒波もおさまり、厚着をしてきた人は汗ばむほどの好天気に恵まれた。
午前中はマヨネーズについて色々な新しい発見の説明があり、コレステロールを気にしていたが、もっと使おうと言う気になった。商品のキャップにも色々工夫が凝らされていることを知り、シェアの高さの秘密の一端が分るような気がした。
街の説明が飯盛リーダーからあり、伊丹は自然豊かで、古い歴史があり、落ち着いた街並を知り、気持ちの良い散策を楽しんだ。
野鳥観察は野村さんの説明で、多くの鳥と出会え有意義な一日となった。


文/飯盛、野村、資料/野村 写真/樋口、飯盛、石井 編集/石井
企画:樋口、飯盛、井口

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