UP 2012.6.11 ISH
シニア自然大学校環境科2012年度6月度 施設見学
万博記念公園の森づくりを知る
■日時:2012年6月8日(金)10:00〜15:0 天気 曇
■集合:万博記念公園中央口
■行先:万博記念公園自然学習館〜自然文化園〜
     日本庭園
■参加者:環境科 41名
世紀のイベントといわれた万国博覧会から40数年、我々の思い出と共に時を刻んできた万博公園の森について、その成り立ちから今に至るまでを、改めて考察する。

     自然観察学習館

 日本万国博覧会記念機構 自立した森再生センター 参画推進係 井上 奈緒子氏 講演
              
テーマ 「万博記念公園の自立した森づくり」

井上講師は万博機構にて8年間の経験を積んでおられ、万博森作りについての組織的な森作りについての基本的な進め方の紹介に個人の経験談を交えてPPを駆使して分かりやすく解説をしていただいた。
 1. 森林の形態として3つの区分けを中心に森作りをしてきた。
    @ 密生林・・・常緑樹を中心に配置 Ex シイ、カシ、トベラ などなど
    A 疎生林・・・落葉樹を中心に配置 Ex コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、ガマズミ、アキグミ など
    B 散開林・・・芝生を中心に配置
2. 万博公園のこの場所の土壌は海生粘土層のパイライトの影響で土壌が強酸性になり樹木の育成に苦慮した。そして土壌の改良などを進め、樹木の育ち難い場所は花の丘として活用を図っている。
3. 万博公園の森にも巨木を育てたいので現在「クスノキ」をベースに取り組み中。
4. 野鳥についても 年間 50〜60種類確認されている。 傾向として当初は草本性のキジ、コジュケイ、モズなどが多く見られたが最近ではシジュウガラ、ヤマガラなど森林性の野鳥が多く認められるようになっている。
最後にいろいろな質疑応答がありその中で印象に残っているのがセミの話で万博にはアブラゼミがセミの中で約70%を占めている。アブラゼミは都会では生息し難い環境になりつつある状況に対して万博はそれをカバーしている環境を提供できているとのこと。それと万博公園の将来像については今後とも皆さんの支援が欲しいとのことでした。(井上講師の講演に感謝!)

森の教室で昼食

自然文化園、日本庭園

自然文化園観察(案内 荘司さん)
アメリカフウ、タイワンフウ、シラカシ、カシワ、アキニレ、ギンドロなど密生林の新緑をソラードから観察した。あじさいの森はまだ三分咲き程度で時期が少し早かったようです。それでもシチダンカなどの早咲の花が咲き、気象庁が本日「梅雨入り宣言」し、小雨がアジサイとハナショウブの青や紫の花が公園に彩りを与えていました。

万緑へ架かるソラード風通ふ

緑陰を抜け緑陰へ水匂ふ


ハナショウブ

アジサイ

シチダンカ

日本庭園の説明

額縁に納まった庭園

遠見の松
ボランテイアガイド4名により4つのグループに分かれて日本庭園を観察した。日本庭園全体の説明ではここは井戸水をくみ上げて西から東に向かって勾配をつけて水を流していること、及び日本国のいろいろな場所より銘木、岩を集め、日本古来の庭園を造りあげたとのことで、休憩所及び外国のお客様の接待所としての活用を目的として活用されたとのこと。15時日本庭園にて解散。


文/荘司  俳句/秋山 写真/荘司、北仲  編集/石井
企画:長谷川、荘司

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