UP 2012.7.16 ISH
シニア自然大学校環境科2012年7月度 施設見学
滋賀県立琵琶湖博物館と草津市立水生植物園・草津宿本陣
■日時:2012年7月13日(金) 8:00〜18:00 天気:梅雨の合間の曇・湿度高し
■集合:大阪駅前第4ビル前 7:50集合  バス出発8:00
■行先:滋賀県立琵琶湖博物館−草津市立水生植物園みずの森−草津宿本陣
■参加者:環境科 36名

行程

     8:00       大阪出発
    10:00〜11:00  琵琶湖博物館中井克樹学芸員による講座
    11:10〜12:20  館内見学
    12:20〜13:00  レストランにて昼食
    13:10〜14:45  草津市立植物公園みずの森見学
    15:00〜16:00  草津宿本陣見学
    18:00        大阪帰着

1.琵琶湖博物館
(10:00〜13:00(講義、見学、昼食込))

博物館より琵琶湖を臨む

本博物館は琵琶湖に対する総合的理解を深めることにより、湖と人間のよりよい共存関係を築いていくために滋賀県が計画し総工費230億円をかけて1994年1月着工1996年3月に竣工された、湖沼水質保全特別法指定湖沼、ラムサール条約登録湿地である。   
環境科としては8年ぶりの見学となったが、水辺での生物多様性も考えられている昨今でもあり、今回は特に最近話題となっている外来魚についての講座を、中井克樹学芸員に依頼し実施して頂いた。
館内見学後の昼食では、話題のブラックバス天丼を全員が食べてみた。

中井克樹学芸員による講座
テーマ:琵琶湖の外来魚問題と生物多様性 

10:00〜11:00

講座会場風景
琵琶湖は世界でも指折りの古代湖として知られ、固有種を含めて、50種の在来種が生息していたが、北米原産のブルーギルとオオクチバスが、1960年代、70年代相次いで琵琶湖へ浸入し、状況が激変し1980年にはオオクチバスが急増、以降多くの在来の魚類が激減し小型種の多くが湖内で絶滅した結果、1990年代になるとオオクチバスは食量不足で減少、一方ブルーギルは増加し、オオクチバス500トン、ブルーギル2500トンと推定された。

オオクチバス激増前後・在来魚の変化

 これら外来魚の生息制限への取り組みは1984年から始まっていたが、効果なく1999年から、滋賀県は外来魚抑制強化策として、漁業者に対して回収した重量に応じて、(KGあたり50円)金銭的支援を始めた。これに呼応して2009年には、両魚とも半数以下となり、ホンモロコなどの漁獲量が回復したが、財政難からこの制度は現在廃止されている。
一方、琵琶湖のレジャーの適正化に関し、2003年から外来種のキャッチ後の再放流(リリース)禁止令が定められた。 2006年にはさらにリリース条件が強化され、2009年度の外来魚の生息量推定量が半減し1500トンになった。

中井講師

ここで、生きものたちのおかれた状況は、人間の影響によって自然のバランスが崩れると考えるべきで、我々は「原因者」として責任ある対応として、生き物に対して何をすべきか考えよう。 「よそ者だから悪いのか?」
外来生物がみんな問題視されるわけではなく、問題視されるのは一部の外来生物であり、在来生物の中にも問題視されるものもあることを思い出し、生き物に対しての責任を自覚して対応すべきである。

博物館内見学
(11:10〜12:20)

A展示室:琵琶湖のおいたち        B展示室:人と琵琶湖の歴史 
C展示室1F:湖と環境と人びとの暮らし  2F:淡水の生き物たち

オオクチバスとブルーギル

館内見学時に「2012マリンフエスタin びわこ」のPRとして :「外来魚駆除つり大会」・「夏休みに外来魚を釣って琵琶湖を元気にしよう」  主催:滋賀県小型船舶協会、浜大津レジャー対策委員会の下記ポスターが目についた。リリース禁止は周知の上と思う。

昼食・館内レストラン
(12:20〜13:00)


レストランでの昼食風景

ブラックバスの天丼
  味もよく食用には問題ないと思えた。皆さんの感想は?




2. 草津市立植物公園みずの森見学
(13:10〜14:35)
琵琶湖博物館記念碑前での記念撮影の後、草津市には1機の風力発電「クサツ夢風車」を眺めながら歩きながら水の森へ移動


ドイツ製1500kw風力発電機
 風速3m以上20秒で運転開始するが当日は無風にて停止していた

草津市鳥丸半島の東に広がる植物公園水の森は、日本でも有数の水蓮の群生地で、「植物と人、みずと人のふれあい」をテーマにしている。ロータスの名で総称されるハスやスイレンは7月がベストシーズンと、3名の草津市のボランテイアガイドさんに案内してもらう。

草津市ボランティアガイドの説明

スイレン

ハス

ネコノヒゲ

クリントブライアート

クイーンオブシャム

キングオブブルー

アイスブルー

ギガンティア

イエローダズラ
 花が水面に映った影で有名な「花影の池」も楽しめる。またの隣接する琵琶湖のハス群生地は花蓮としては日本でも屈指のスケールで、緑の葉が湖面を覆いつくし、淡紅色の花が次々と咲くと、周囲には高貴な香りが立ちこめるそうです。 

3.草津宿本陣
(15:00〜16:00)室内撮影禁止

旧草津川を歩く

草津宿本陣

バスで草津まで移動後、引き続きボランテイアさんの案内で、町並みよりかなり高いところを流れていた今は水のない旧草津川を歩き、旧東海道と旧中山道の分岐合流する場所にある、草津宿本陣を訪ねる。
草津宿は東海道53次江戸から52番目の宿場で 本陣2軒のうちの1軒で当時の面影を残した「田中七左衛門本陣」は、草津では最も重要な施設で、昭和24年に国の史跡に指定された。

七左衛門の子孫に当たる田中さんの名調子の説明

本日の予定を全て終了し本陣を後にした
 
 蒸し暑い日でしたが、現地では梅雨の合間で雨にも降られず目的地を回ることができ、外来生物に対する有意義な研修と、豊かな自然と歴史文化に触れる一日となり幸いであった。

本日のバスツアールート


大阪駅前第四ビル〜名神瀬田西〜琵琶湖博物館〜水生植物園〜A草津宿〜名神草津〜梅田
帰路は草津発15時20分途中阪神高速空港線で30分渋滞したが、梅田桜橋18時00分到着、解散

文/青木、写真/北仲・平山・石井、編集/石井
企画:井上、奥野

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