UP 2013.4.23 ISH
シニア自然大学環境科2013年4月度野外活動
桜花の福知山線廃線跡・桜の園と武庫川渓谷を歩く
◇日時:2013.4.19(金) 10:00〜15:00
◇天気:晴れ
◇集合:JR武田尾駅 10時00分
◇行先:武田尾駅〜桜の園〜武田尾渓谷〜名塩駅
◇参加者:環境科 32名
 
 武庫川渓谷は、篠山市に源流がある武庫川の道場から西宮名塩までの14qをいいますが、武田尾から西宮名塩までの7qを特に武田尾渓谷と呼びます。その渓谷に沿って旧国鉄福知山線の廃線跡があり、武田尾より廃線跡を歩いて2つ目のトンネルを出ると宝塚市の里山公園「桜の園」が整備され、近郊市民の憩いの場となっています。今日は、巨木山桜のある「桜の園」と新緑豊かな武田尾渓谷を歩き、春の景観、植物観察を楽しみ、途中凍結となったダム予定地を見て治水のあり方を考えながら、ハイキングしました。
 JR武田尾 今日「桜の園」のガイドして頂く「櫻守の会」代表 土井 喜夫氏から、危険な場所が多々あるとの注意を受ける。自己責任を再確認。
  1,2班土井氏、3、4班平山氏の案内で「桜の園」に向かう。

 ヨコグラノキ 植物学者牧野富太郎博士が、よく登った高知県横倉山で発見。葉の付き方に特徴(コクサギ型葉序)武田尾に10本位あるようだ。イブキシモツケ 葉は先端がややとがり気品がある。オオシマサクラ 葉が大きい。裏表に毛が無い。食べられる。
道路沿いに廃線跡ウオーキングの看板。最初の店にここが旧武田尾駅だと偲べる看板をガラス窓に見る。

ヨコグラノキ

イブキシモツケ

オオシマザクラの説明
親水広場 櫻守の会の活動、桜の園(亦楽山荘)の様子を話される。
武田尾桜の園(亦楽山荘)は、笹部新太郎氏が1912(明治45年)兄栄太郎氏から土地を譲り受け日本古来のサトザクラ、ヤマザクラの保護、育成のために作った演習林である。漢詩の一節から名づけられた「亦楽山荘」は、演習林をさし現在では、「桜の園」として親しまれている。91年の生涯の大半を桜に捧げられた笹部氏であったが、特に水没する荘川桜の移植は、世界植林史上稀有の業績である。また、桜に関する資料の収集にも努めそれらのコレクションは、西宮市に寄贈され、現在、財団法人白鹿記念酒造博物館に所蔵されている。 
 
櫻守の会  
 笹部新太郎氏の没後、放置され荒れ放題になっていた土地は、ご遺族からの寄付と宝塚市の購入によって宝塚市の里山公園となった。この「桜の園」を愛する人達が、宝塚市の
「緑の応援段」として市民に親しまれる森づくしをめざして、ボランテアグループ「櫻守の会」を設立され活躍されている。会員数170人位(女性50人くらい)
お話の後、親水広場、もみじの道、どんぐりの道、城が丘広場、ロックガーデン、育樹の丘、さくらの道と足首を骨折されているにもかかわらず、元気に案内して頂きました土井様お世話になり有難うございました。朝は、肌寒く感じたのですが、登りは、汗ばむほどの陽気になりました。遠くの山のヤマザクラが目につきます。                                           
どんぐりの道 コショウノキ 園芸種のジンチョウゲに似ている。白い花。
アオキ おばな花盛り。赤い実も残っている。
城が丘広場  コバノミツバツツジ、シロバナウンゼンツツジ(?)が、美しい。
ロックガーデン 隔水亭 笹部新太郎氏の研究所 ここからみる紅葉のモミジが、美しいとの事。ヤマボウシも見事。背のたかいドイツトウヒがそびえている。
さくらの道 エドヒガン樹皮が縦模様5本。巨木のヤマザクラ。
エントランス広場  巨木のイチョウ、カツラ、トチノキ。

コショウノキ

アオキ

コバノミツバツツジ

隔水亭

シャガ

ウグイスカグラ
― 午後 ―
親水広場で昼食。ここでお世話になった土井 喜夫氏とお別れする。流れる水音と新緑の中でのランチは、美味しい。
13時から武田尾渓谷を見ながら、廃線跡を西宮名塩に向かって平山氏の説明で歩き始める。
すぐに、JR西日本の警告の大きな看板が、立っている。
武田尾渓谷  約100万年前に起こった「六甲変動」と同時期にこの地域も隆起したが、河床は、そのままの位置を流れる先行河川が形成された。先行谷とも呼ばれ上流にあるはずの渓谷が、下流に近いここでその景観を楽しむことが出来る。
4番目のトンネル 出ると溝滝。上が男滝、下が女滝。
5番目のトンネル 第2北山トンネル全長413mコースで一番長いトンネルでS字にカーブ。出ると対岸上部に雨の後だけ見える十国の滝(空水の滝)
今日は、流れていた。
6番目のトンネル 出るとダム予定地の左岸の断崖に梯子のようなものが残っているこのダムは、武庫川下流の治水のために計画された県営ダムである。しかし、環境、景観に対し影響が、大きいと流域住民の反対運動が起こり、解決には、長時間を要することから平成22年10月、今後20年間は、ダムを作らない「ダムに頼らない総合の治水」へと政策転換された。
まとめ
武田尾のヤマザクラ、エドヒガン、サトザクラを楽しみにしていたのですが、残念葉桜になっていました。しかし、この季節の新緑は、目に優しく緑の奥深さを改めて感じさせてくれます。自然の偉大さは、言うまでもありませんが、それを守り次世代に残すために、活動される皆様がいらっしゃることに心強く思い、また頭が下がります。
今日、一日天候にも恵まれ、皆さんのご協力あり、楽しいハイキングが、出来ました。

廃線に残る枕木遅桜   二三弥

参加者の感想
春早い季節に戻ったような1日でしたが、新緑の美しい木々や野鳥の澄んだ声はたいへん気持ちがよかったです。桜の園ではコバノミツバツツジが美しかった。管理されている櫻守の皆さんの御苦労が伝わってきました。そのあとも、廃線跡や鉄橋を渡ったりと変化のある行程で楽しめました。武庫川渓谷の景観もすばらしかったです。また、帰ってさっそくあけびの新芽を料理しました。食べたあとに春の山菜の独特の苦みが少しあり、おいしくいただきました。櫻守の会の土井さん、2班の皆さん、そして平山さん有り難うございました。
文/田中(富)、写真/北仲、樋口、 俳句/鈴木
                                             ガイド/櫻守の会&平山、企画/栗生、世話役/清野、田中(富)

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