UP 2013.8.15 ISH
シニア自然大学校環境科8月度 野外活動
真夏の六甲山山上涼感散策会
■日時:2013年8月9日(金) 10:00〜15:00 天気 晴
■集合:六甲ケーブル下駅  午前10時00分
■行先:六甲ケーブル山上駅から記念碑台周辺散策
■参加者:環境科 28名

行程

    10:30         ケーブル山上駅出発
    10:30〜12:20  天覧台〜六甲山ゴルフクラブ横〜六甲山自然保護センター
    12:20〜13:00  昼食(レクチャールームを借用)
    13:00〜13:30  六甲山の概要講義(講師:六甲山自然案内人の会 武川会長)
    13:40〜15:00  六甲山自然保護センター出発、案内人の会の自然観察コース散策
    15:00        六甲山自然保護センターにて解散
   

「六甲山自然案内人の会」の方々と御一緒に自然観察、六甲山の成り立ち環境等の講義と説明を受け山上からの眺望と涼風を楽しみます。

六甲山の8月の平均気温は23,4℃、1月は−2,9℃(1985年)で夏は涼しく冬は、青森市の気温と良く似ています。山頂の標高は、931mで、阪神間の年間降水量は、1300oに対し山頂付近は、約1900oの特異な環境の中多様な植生を展開しています。                          今日大阪の予想気温は、37℃ですが、ケーブルを登るに連れ涼しい風が入ってきました。また、アジサイの花も残っており見る事ができました。
  六甲ケーブル山上駅出発 10:30 
六甲ケーブル山上駅駅舎は平成13年には、「近畿の駅百選」に選ばれ、(昭和7年)当時から変わらぬ駅舎。アールデコ調の四角い建物でレトロな雰囲気を醸し出している。標高737.5m。
「六甲山自然案内案内人の会」の3名と合流 3班に分かれて自然観察開始。

天覧台からの眺望(山上駅の屋上)

眺望の良い場所だが、今日は、晴れにもかかわらず暑さのため水蒸気が多いため下界が見えない、珍しいとのこと。明治の初めごろは、花崗岩が露出し荒れ果てた六甲山であったが、明治30年代から緑化事業が始まり、人の手が入り緑が蘇る。今、目の前の山は、まことに緑深く眩しい。

天覧台〜神戸ゴルフ場横〜記念碑台コースで見られた植物の色々 10:30〜12:30

山路来て 猛暑優しく なりにけり


ヘクソカズラ(アカネ科)

ケヤマハンノキ

タチツボスミレ

ヌスビトハギ

アキノタムラソウ

エカキムシが描いた模様

マツムシソウ

コマツナギ

ミヤマカタバミ

キツリフネ

タマアジサイ
観察メモ
つる植物 若い茎が、他物に巻き付く。フジ(ノダフジ)左まき。ヘクソカズラ(サオトメカズラ)葉柄で取り付き茎は、つるになる。ボタンズル、センニンソウ巻きひげ(葉の一部が変化したもの)で取り付く。 エビズル、サルトリイバラ刺・鉤で取り付くサルトリイバラ(巻きひげも持っている) アカネ 吸盤で取り付く ツタ茎から根を出して張り付く。キズタ テイカズラ ガガイモ、ヤマイモ オニドコロミズキ(春先に枝を切ると切り口から樹液が滴り落ちる)クマノミズキ、ウバメガシ(備長炭になる)ケヤマハンノキ(葉に毛おおく、山に生える)オオシマサクラ アカメガシワ(葉身の基部に蜜腺、アリがボデイガード) ヒノキ、コウヤマキ(植林)ヤシャブシ(土止め)イロハモミジの巨木、エノキグサ ミズタマソウ コアジサイ アキノタムラソウ タチツボスミレの閉花 フタバアオイ(徳川家の紋)ひっつきむしの植物(ハエトリソウ、ヌスビトハギ、ダイコンソウ) ミヤマカタバミ ノギラン オカトラノオ  ナデシコ マツムシソウ(コルフ場の中,その柵の外でササ刈りをして芽生えを待っている) キツリフネ タマアジサイ ハンゴンソウ(外来種)

県立六甲山自然保護センターで 六甲山についての講義  13:00〜13:30

六甲山とは                                     
東は武庫川西岸(宝塚市)から西は、鉢伏山(神戸市須磨区)までの東西約30q南北約8qの山塊をさす。大部分は、約1億年前の地下深く生まれた花崗岩でできている。百万年前以降の六甲変動と呼ばれる地殻変動で隆起。現在も変動を続けている。山頂付近は、「隆起準平原」と呼ばれゴルフ場、ホテル、各種観光施設等が、点在している。
植生 戦乱や江戸時代以降燃料や資材として伐採が続き、植生の無い荒地となった。その結果、土砂災害を招き住民を苦しめた。明治30年代から緑化が、再度山から始まった。
開発の歴史  
神戸開港で外国の文化が持ち込まれた。日本最初の「神戸ゴルフ倶楽部」 近代登山発祥地 
戦後まもなく乱開発を抑制する手段として、神戸市などが、国立公園の指定をめざした。単独では無理だったが、昭和31年瀬戸内海国立公園の一部として編入すると言う形で実現した。これにより、約7000ヘクタールの山が保護されるとともに、市民に親しまれる山としての活用が促進されることとなった。
めずらしい植物、昆虫、動物
オオイワカカミ カキノハグマ カキラン シチダンカ(六甲ケーブル近くで発見)ヤマシグレ
キベリハムシ(六甲山のアイドル、サネカズラを食用) ジョコウアゲハ(ウマノスズクサ食用)
スミスネズミ 

六甲山自然保護センター(標高800m)

六甲山についての説明展示

記念碑台の碑を建てることば(戦時中壊されたが昭和30年再建)

 講師の紹介

六甲山自然案内人の会の会長さんの講義

クーラーはないけど山の風が心地よいレクチャールーム

「六甲山自然案内人の会」の自然観察コース (六甲山ホテルコース)の植物  13:30〜14:40

蝦夷蝉の 声のびのびと 山の風


サルナシ

アセビの森

チゴユリ

アカシデ(樹皮が筋肉風)

キクバヤマボクチ

ヤマシグレ
観察メモ
ミヤコササ(節がふくれる)ネザサ エゴノキ  サルナシ(つる植物、キュウイの味、かずら橋は、この蔓を使用) ツゲ(小さい葉、嫁の皿)タンナカワフタギ  アセビの森(林床にササが茂りねずみの棲みかとなっている)  チゴユリ アカシデ(筋肉の様な木肌)バイカツツジ キクバヤマボクチ  ガマズミの仲間達(コバノガマズミ(葉は、ビロード状)、オトコヨウズメ、ミヤマガマズミ、ヤマシグレ)  点々と存在する池では、氷を作っていた。海岸に強い植物(トベラ、マサキ、ウバメガシ)ホテルの近く(ウド、センニンソウ、クサフジウツギ )

峰雲や 山上バスに 客も無く



暑さにめげない環境科28名の精鋭と六甲自然案内人の会の皆さん
今日は「六甲山自然案内人の会」の皆様のお陰で、森林の日陰の下涼しく、多くの植物等の観察が出来六甲山の多様な植生を知る事が出来ました。また、参加された皆様のご協力のお陰でスムーズに進み、楽しい一日でした。有難うございました。


お疲れ様でした。
なんとか無事に案内することができ喜んでおります。皆様によろしくお伝えください。今後ともよろしくお願いいたします。(六甲山自然案内人の会の会長さんより)
文/田中(富)、俳句/浅田、写真/北仲、石井
企画・世話役/樋口、石井

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