環境科1月度施設見学
                                                                                                        UP 2014.01.28


淀川河口部(大阪港)の整備について学ぶ
■日時:2014.01.24 10:15〜14:30、天気快晴
■集合:朝10時15分ニュートラム「トレードセンター前」駅、午後13時15分大阪市咲洲庁舎1階
■場所:午前ATCビルITM棟10階大阪市港湾局会議室、午後大阪府咲洲庁舎展望台         
■参加:環境科42名

ATCビル

トレードセンター前駅に集合

ATCビルITM棟10階の大阪市港湾局前
              
大阪市港湾局       
4班の平成25年度のテーマ「淀川水系・流域を学ぶ」の学習もいよいよ終りに近づき、淀川の河口部、大阪港について考えてみたいと大阪市港湾局に講演をお願いしました。
           

講師の紹介

配布資料

講義風景
講 師:大阪市港湾局計画整備部計画担当 担当係長 田中一也さん
テーマ:「淀川河口部(大阪港)の開発の歴史と現状・将来構想」
 大阪平野に豊かな恵みをもたらす淀川だが、それが運んでくる土砂、特に洪水のときに運ばれる土砂が大阪の「港」の条件を非常に悪いものにしてきた。そして、これに対し、江戸時代から河川の改修と浚渫が繰り返し行われた。明治時代に入って外国に開港されたが、やはり、川底の浅さのため大型船の入港ができず、国際港として機能しない港は、大阪の経済の発展にとって大きな足かせとなっていた。「商都大阪の命脈は港にあり」 明治30年、築港事業が当時の市の予算の20倍をかけて行われた。また、国によって新淀川の掘削も行われるなど港の整備が進み、やがて東洋のマンチェスターといわれるように紡績業が大きく発展したことから中国から大量に綿花を輸入、昭和14年には、取扱貨物量が日本最大となった。
しかし、戦後、重化学工業への転換が遅れ、それを取り戻すべく、臨海工業用地として南港の埋め立てを行ったが、国の政策転換などにより昭和42年に計画を変更。港湾機能の拡充と高度経済成長期の課題解決の場とすることになった。続いて、舞洲、夢洲が埋め立てられ、大阪港は、物や人を運ぶだけでなく、住宅地、廃棄物処分場、工業団地など複合利用されることになった。
現在、近畿2府4県で生産消費される取扱い貨物量の49%が大阪港である。外貿コンテナ貨物取扱量は年々増加し、コンテナが物流の中心となった。また国際コンテナ航路は中国、韓国、東南アジアと頻繁に行き来し、取扱い貨物量の92%がアジアとなっている。このコンテナ船の大型化に対応し、主航路の拡幅、増深、岸壁の延伸、整備が行われている。また、政府は、国際コンテナ戦略港湾として日本の2つの港、京浜港と阪神港(神戸港と大阪港)に集中投資、整備を推進中。

大阪府咲洲庁舎展望台


大阪府咲洲庁舎

午後から大阪府咲洲庁舎展望台から大阪港の現状を展望・見学しました。田中係長さんに同行いただき、個別に質問に答えていただきました。

咲洲庁舎エントランスホール

庁舎入口脇にある展望台入口へ

高さ252m、360度パノラマ展望台

海遊館

舞洲ゴミ焼却場、スラッジセンター

大阪港咲洲トンネル
 いつにない快晴の午後、初めて大阪府咲洲庁舎の展望台に上った。きらきら光る水面にガラス片を並べたような埋立地。まずは、その大きさに驚いた。コンテナと太陽光パネルの並ぶ夢洲。ユニークなデザインのごみ処理施設のある舞洲。そして、この庁舎のある咲洲。海側から見た大阪港はまさに海へ海へと押し広げてきた港の発展が目の前にあった。そして、狭い大阪がかかえる都市問題の解決策もこの埋立地が大きな役割を担っている。
しかし、機能重視の海岸線は、決して美しいとはいえない。未来の大阪港は、人工と自然がマッチングした港、豊かな生態系を育む美しい港になってもらいたい。たくさんの人々が集い、人の匂いのする大阪らしい港になってもらいたい。

淀川、安治川河口

なにわの海の時空館 咲洲〜夢島海底トンネル

関西電力南港発電所


波に乗る 春呼ぶ光 船の水尾    二三弥


 田中係長さんには丁寧な説明と午後からはまた、展望台まで足を運んでいただき、感謝にたえないです。
快晴のこの日は落日の夕焼けもさぞ美しいであろうが、時間の関係でみなさん、帰宅の途につきました。


 文/上須、俳句/鈴木、写真/小林、石井 
企画・世話役/田中(正)、上須

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