UP 2014.4.13 HRY
シニア自然大学校環境科2014年4月度
奥琵琶湖 針江生水の郷と海津大崎の桜見学
■日時:平成26年4月11日(金) 8:20〜18:45
     天気 晴れ
■集合:8:20 大阪梅田第4ビル東(バスツアー)
■行先:午前:針江生水の郷
     午後:海津大崎
■参加者:環境科 42名
                       スケジュール
・8:20集合 大阪梅田第4ビル東
・8:30発 名神→桂川SA→志賀高島湖北バイパス
・11:05 針江生水の郷着
・11:10〜13:00 生水の郷委員会のガイドが付いて各家庭を見学(昼食)
13:00発 海津大崎に移動
13:30 海津大崎到着
13:30〜15:30 「マキノまちネット」のガイドにより見学
15:45発 木之本→米原→桂川SA→大阪梅田第4ビル東
18:45 解散

残雪の比良山麓 琵琶湖西縦貫道路を走る
針江生水の郷
 高島市新旭町針江(はりえ)地区は、里山の写真家・今森光彦さんが撮影、2004年1月にNHKハイビジョンスペシャルで放映された映像詩『里山・命めぐる水辺』の舞台となった場所です。地域の綺麗な湧き水を、地域住民は生水(しょうず)と呼び、昔から大切に利用してきました。集落の中を巡る水路やその水を生活用水に利用したシステムを“かばた”(川端)と呼んでいます。
針江の生水は平成20年6月に平成の水百選に認定されました。また、平成22年8月には針江・霜降地区の水辺景観が重要文化的景観として選定され、平成26年環境省・日本エコツーリズムの「エコツーリズム大賞」において「大賞」を受賞されました。「針江の生水の郷」は環境白書の24年度版P77付近に紹介されています。
生水の郷委員会の4人のガイドさんの案内で見学しました。

針江生水の郷 人口700人
 
見学コース

かばた(川端)のある風景

 この地域には日本でも珍しい水の文化があります 比良山系に降った雪、雨が伏流水となり各家庭から非常に綺麗な水がコンコンと湧き出ます。人々はこの自噴する清らかな水を飲料や炊事と言った日常生活に利用しています。このシステムをかばた(川端)と呼んでいます。このような究極なエコの生活、美しい景色、地域の人とのふれあいがあります。

針江公民館前からスタート

生水の郷委員会のガイドさん(3班) 
 
70%が湧水、バイカモの針江大川  

Aさん宅かばた コイがご飯つぶを食べてくれる
この集落の方々は「飲み水や料理に使うのはかばたのわき水」「風呂やトイレに使うのは水道の水」なのだそうです。我々都市生活者とは逆です。ちなみに生活排水はすべて下水道処理しているということです。かばたの水は水路により各家庭とつながり川に入り、そして2km先のびわ湖に入ります。集落の中心を流れる針江大川は70%が湧水で、バイカモが花をつけていました。

かばた(そとかばた)
 
竹筒のコップで水をいただく 柔らかく、甘い香りです
 
各戸にある水質検査証

集落内に湧き出る水

Bさん宅かばた

うちかばた 内部公開していません

かばたの構造

環境に優しい郷

 針江の郷はH11年の河川改修で護岸整備され、川幅が縮小されたため田舟の通行はできなくなりました。生活道路確保のためにはしかないことでしたが、ただ護岸には魚の棲家となる穴が明けられていて、コイやナマズの産卵の場所となっています。下水も整備されていますが、汚水管の排気口は常夜灯になっており、水路の段差を利用した小水力発電で電気を供給しています。

護岸は魚の棲家 

下水の排気口は常夜灯

小水力で常夜灯をともす

水車も小水力発電
 
水路のコイ(撮影 大野)

お土産

 見学コース途上には琵琶湖特産のアユやエビなど佃煮の「おさかな旭」、かばたの水で作ったお豆腐屋さん「上原豆腐店」があり、お土産にしたりその場でいただいたりしました。観光地よりも安く、またお豆腐は甘くおいしくいただきました。醤油は不要です。コースからはずれていましたが、3班ガイドの和田さん宅は酒店を営んでおり、昼休みに出かけて、地酒川島酒造の「かばた」をお土産にしました。

アユ、エビなど佃煮各種¥300〜¥1000

お豆腐屋さん 

かばたの水でつくったお豆腐を頂く 一丁¥190
 
地酒かばた(和田酒店)

集合写真(日吉神社前で)
・家屋の中でも、家の周りも、24時間きれいな清水に恵まれ生活されている針江生水の郷のみなさんを、もの凄く羨ましく思いました。この郷の人たちはきっと、心もきれいな方ばっかりでしょうね。
・針江生水の郷は地域ならではの自然現象(水)を有効に利用されていることを知ってよかった。ただもう少し地元の人との交流があるとよかったと思う
・針江手水の郷は水がきれいで、鯉やマスなどが人々の生活の中に溶け込み、共存している風景がすてきでした。

海津大崎の桜

 午後はマキノの海津大崎の桜並木を見学します。海津大崎の桜並木は、昭和11年6月に大崎トンネルが完成したのを記念して海津村(旧マキノ町)が植樹したもので、延長約4キロメートルにわたって約600本のソメイヨシノが咲き誇り、美しい桜のトンネルをつくります。その景観は奥琵琶湖に春の訪れを告げる代表的な風物詩であり、平成2年(1990)、財団法人日本さくらの会から『日本のさくら名所100選』に選ばれました。海津の歴史と満開の桜並木を「マキノまちネット」の方にご案内いただきました。

海津大崎の桜並木(旧海津港から)
 海津は北陸と京都をむすぶ交通の要所にあたり、特に、江戸時代から昭和初期までは、山越えで運び込まれる米や海産物など北陸の物資を、琵琶湖を利用して京阪神に運ぶ、湖上交通の中継地として栄え、最盛期には、100隻近い丸子船(輸送船)を擁する大 きな港町であったそうです。

「マキノまちネット」ガイド氏の案内で

旧街道の面影を残す海津の町並み(左:福善寺)

旧海津港から桜並木の景観

桜並木

 ここから海津大崎まで約2kmに渡ってソメイヨシノの桜並木が続く。湖岸と車道に挟まれた遊歩道は、狭い上に足元も悪く、平日にもかかわらず人、人、人であふれかえっています。ガイドさんも引率するだけで、立ち止まって説明もできません。桜園地を過ぎて、弁慶の隠れ岩付近から先は湖岸を歩きます。湖上から眺める桜は人気がありますが、小型遊覧船40分 2000円です。

桜並木遊歩道入口

海津浜石積みと桜並木
 
人と車であふれる桜並木

湖岸を行く環境科美女軍団 
歩行1時間、約2km。海津大崎港で桜並木はひとまず終点です。人ごみに露店が並びスピーカーから大音響の音楽が流れ、もうまったくの観光地で、桜の風情を楽しむどころではありません。岬の突端、石段を300段上った大崎寺に参拝して往路を引き返します。竹生島は半島の陰で見ることはできませんでした。復路は一味違った風景が展開。湖岸の海津の街と残雪の若狭国境の山々を望むことができました。

中間点 海津大崎湖岸園地

遊歩道終点大崎港

岬の突端大崎寺にて
予定の15:30過ぎ、バス駐車場まで帰ってきました。もう少し時間がとれれば良かったとは思いましたが、快晴の空の下満開となった湖北の桜を堪能、季節、天候とも最高でこれ以上ないお花見となりました。お疲れさんでした。
文/3班&平山、写真・編集/平山
企画・世話役/3班 沖本、加藤

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