UP 2014.10.8 kita

   シニア自然大学校環境科2014年10月度 野外活動

奈良公園「飛火野コース」の自然観察会


■日時:2014.10.3 (金) 9:45~15:00 天気 曇り時々晴れ

■集合:近鉄奈良駅前行基像前 9:45

■行先: 奈良公園「飛火野コース」(サークルならなぎコース選定)を辿り
      ―興福寺から飛火野を経由して春日大社 までー


■参加者:環境科 36名(5班編成)
目的:
 今回の自然観察は、奈良公園の飛火野・春日大社を中心とした豊かな自然と伝統的文化財を見物しながら、小さな大自然(見わたす限りの芝生と驚く巨樹群を体験します。
行程:
 興福寺(北円堂・南円堂・金堂再建中・五重塔など)~一の鳥居・影向の松~奈良国立博物館(昼食)~悠久の杜~飛火野~ささやきの小道~春日大社
 小雨決行の予定だったが、降雨確率によっては、中止が懸念されておりました。皆さん、晴れ男、晴れ女が多数を占め、暑い位の上天気に恵まれました。自然が多く残る、興福寺~飛火野~春日大社までを中心に、豊富な知識や逸話を交え自然・文化遺産ガイド「ならなぎ」の5名の皆さんに案内して頂きました。


 出発点は、東大寺へ向いて立つ行基像前、大僧正の生い立ちから生涯を解説頂く。東向商店街を通り、興福寺へ。クロマツに宿るヤドリギを観察。中金堂再建工事中の境内を北円堂~南円堂~五重塔へと進む。薄紅葉の楓あり。

建築中の興福寺中金堂

興福寺北円堂前
 興福寺は、藤原氏の氏寺で、平城遷都と共に飛鳥から移された寺である。南円堂の右近は橘、左近が藤である所以がわかる。花は実となり、藤棚に下がっていた。天平時代の阿修羅像や 50.1mの五重塔などが有名。さすが世界遺産、見物客も多い。シキビの実や、薪御能舞台近くでは、四十雀の枝移りを観察

興福寺南円堂

興福寺五重塔前

 興福寺五重塔から一の鳥居へ。途中、六道の辻を見下ろしつつ、菩提院大御堂へ寄る。右近のツバキ、左近のシナノキ。萩の花が垂れ、鐘楼横には、ヒオウギの黒い実(ヌバタマ)を観察。鹿と三作石子詰の跡。

菩提院大御堂の檜扇の実

興福寺十三鐘傳説三作石子詰之旧跡

春日大社一の鳥居前

芒原 宮址はここに 朱雀門   二三弥
 国立博物館南側の、ムクロジ。主幹が空洞になっており、そこに孟宗竹が侵入。
昼食は博物館の休憩所にて。(時間差をつけて11:30~12:30)
鴎外の門を見学後飛火野の小さな自然へ。
 飛火野のクスノキは、1908年、明治天皇玉座跡に記念植樹されたもの。約11haの広々とした芝生の丘陵公園にあり、予備の2本共々成長し3本が一本に見えるシンボルツリーとなっている。
ルリセンチコガネ(糞ころがし)の美しい瑠璃色も鑑賞。風を自在に赤とんぼが群れ飛んでいた。
 飛火野の芝生には、たくさんの鹿の糞がいっぱいで、これが小さな大自然の始まりで、この糞をルリセンチコガネが食べて、糞は芝生の肥料となり、芝生を育てる。そして、鹿がきれいに食べて芝刈の役目を担い、食べた物の消化して、糞を大量に落とす。 この神の鹿は、年間400トン余の糞をし芝の肥料となっている。
斜面を下りきった小川のそばに、落雷で焼け残った巨大なクスノキ。その生命力に感動。

明治天皇玉座跡とクスノキ

ルリセンチコガネ

食糧難の時の芋畑跡 

雷の落ちたクスノキ 

秋夕日 鹿の一声 飛火野に   二三弥
 神官の通勤路の下禰宜道(ささやきの径)を抜け春日大社へ。神苑のディアーラインや鹿が好まないナギの古木、被害防御網を巻きつけた樹木など観察。講座生の時に学んだことも懐かしく、また、新しく説明を受け、貴重な体験学習でした

鴎外の門前

春日大社の見学

春日大社の釣灯篭
 
 
春日大社参道
 
木陰で休憩中の1班の皆さん

木の実落つ下禰宜道の昼暗し  幸子
春日大社境内のイチイガシ巨樹群や古木となったケヤキなどは、奈良市指定文化財。
めずらしい、オガタマの実も見られた。癒しを求めて巨樹めぐりをし、パワーを感じる事も、自然との共存共栄の賜物でしょうか。

理想的な形のケヤキ

◆集合写真◆


奈良春日大社にて

 グループそれぞれに、魅力あふれるガイドを受ける事が出来、無事、15時解散。秋山。


企画:1班・前中、記録:秋山、写真:大野、俳句:鈴木・秋山、編集:前中・北仲