UP 2014.11.18 kita

シニア自然大学校 環境科11月期 野外活動

春日山原始林 ハイキング記録

11月14日、この秋一番の寒さ、快晴の良き日に、24名の参加で、春日山原始林を散策した。
春日山原始林は、標高497m、面積250ha(甲子園球場の65個分)で、 春日大社の神山として神聖視され、信仰の場であった為、841年から勅令により、狩猟、樹木伐採が禁止され、その積極的な保護により、原始性が保たれた。 都市に近接し、その原始性が存在することが極めて珍しく、学術上の価値が高く、大正13年に国の天然記念物に、昭和30年に国の特別天然記念物に指定された。平成10年には古都奈良文化財の一部として、自然に対する原始的な信仰、日本人の伝統的な自然観と深く結びついていることで、ユネスコから自然遺産でなく世界文化遺産として登録された。

当日朝の近鉄電車の遅れにより、予定より30分遅れで、STARTした。
杉・モミなどの巨木、蔓性植物、シダ植物など繁茂した鬱蒼とした能登川沿いの 滝坂の道を行く。江戸時代には奈良と柳生を結ぶ道として石畳みの道に整備され、往来の人々のための種々の石仏が安置されている。
近鉄奈良駅(10:30)・・破石町・・寝仏・・夕日観音・三体地蔵・・朝日観音・・ 首切り地蔵(昼食)・・春日山石窟仏・・首切り地蔵・・妙見宮・・南部交番所・・破石町・・近鉄奈良駅(15:00)


近鉄奈良駅集合

バスで破石町まで

破石町から歩く

寝仏・・街道に転がっている大きな石の裏側に分かり難いが仏さんが彫ってある。
夕日観音・・夕日に映える姿が神々しいことからこの名がつけられ、弥勒信仰の盛んであった鎌倉時代の作。
三体地蔵・・高さ2m、幅5mぐらいの岩に三体の地蔵が彫られている。
朝日観音・・弥勒菩薩、左右に地蔵菩薩の大きな磨崖仏、柳生の里人が奈良に一日往復して生計を立てていて、朝は朝日に照らされる朝日観音を、帰りは西面の夕日観音を拝んだとの事。


民家の庭の柿

滝坂の道

寝仏

夕日観音

三体地蔵

朝日観音

首切り地蔵・・荒木又右衛門が試し切りをしたと伝えられる地蔵で鎌倉時代の作。 この場の東屋で昼食をとったが、日が当たらなく大変寒い所。 樹齢数百年もあろう杉の巨木が圧巻でした。
春日山石窟仏・・檻の様な中に穴仏さんが、何とか姿を留めている状態で、内部に如来、菩薩などが刻まれた凝灰岩層の石窟仏18体が安置された平安末期の作。


首切り地蔵

杉の大木の下で

紅葉

陽に映えた紅葉を見る

春日山石窟仏

春日山原始林の道

当日寒い日でしたが、快晴に恵まれ、能登川沿いの滝坂の道には、奈良と柳生を行きかう人々の道標であり、道中の無事を祈る多くの石仏に接し、往事をしのぶことが出来た。 杉、もみなどの巨木、巨大な蔓性植物などが鬱蒼とした自然のまま、 奥深い森の散策と、ナンキンハゼ、モミジなどの紅葉も楽しむことが出来、快い疲労感が残る楽しい一日であった。

参加者からの俳句

 春日なる 奥山巡り 紅葉狩り  紫人



集合写真

企画:奥野・清野 記録:清野 写真:大野・北仲 編集:北仲