UP 2016.1.18 kita
初詣(平等院・宇治上神社)

  平等院正門前で2グループが合流し入門
  石橋さんより 平等院についての説明がある。

 これが 関白頼道の想う“極楽浄土”


 ○平等院 世界文化遺産

表門を進むと 3年かけて修復作業を終えた(平成26年10月落成式)鳳凰堂が目の前に広がる。大屋根には鳳凰が飾られ 丹土(につち)で塗り替えられたシックな赤が 阿字池と雲一つ無い空に映え のびやかで美しい。
宇治の地は平安時代から貴族の別荘地であった。藤原道長の別荘「宇治殿」もここにあり1052年 時の関白頼道がこれを寺院に改め「平等院」となる。これが宇治平等院の始まり。

 ○鳳凰堂

当時 天災人災が相次 末法思想が信じられ人々に不安が広がった。極楽浄土を願い阿弥陀如来像を安置する阿弥陀堂が盛んに造営された。その一つが鳳凰堂。
堂内には仏師定朝の作である阿弥陀如来像(寄木造り 漆箔 像高284㎝)。周りの壁には、飛雲に乗って降りてくる雲中供養菩薩52躯 来光を描いた壁扉画が見られる。
当時は金箔 螺鈿や彩色の装飾が施されてはずだが 現状は剥落が著し。きっと堂内全体がきらびやかな曼陀羅だったに違いない。

 ○鳳翔館(平成13年開館)

梵鐘 鳳凰 雲中供養菩薩26躯など様々な宝物が保存 展示されている。 これらを近くで見ることが出来る。
またコンピュータグラフィックスを用いた映像展開により細部まで見ることが出来る。 いかに鳳凰堂内はきらびやかで 精細であるかを改めて知ることが出来た。
当時は金箔 螺鈿や彩色の装飾が施されてはずだが 現状は剥落が著し。きっと堂内全体がきらびやかな曼陀羅だったに違いない。

 ○梵鐘

外にある鐘楼の梵鐘は複製であるが 本物の梵鐘(25t 口径123㎝ 総高199㎝) は 音の三井寺 銘の神護寺 姿の平等院と言われる天下の三名鐘の一つ。

 平等院の文化財(国宝)

鳳凰堂
木造阿弥陀如来坐像
木造雲中供養菩薩像52躯
鳳凰堂中堂壁扉画14面
木造天蓋
梵鐘

  ~蒼天の鳳凰眩しい小正月~    幸子  


*平成8~9年 鳳凰堂右後方に15階建てのマンションが2棟建ち 見る方向によっては 鳳凰堂の背景になってしまう。このことが「宇治市景観条例」が制定されるきっかけとなった。現在境内に木を植え目隠しとなるよう 成長が待たれるところである。



午後は橘橋 朝霧橋を渡り対岸へ。


 ○恵心院

木造十一面観音立像が安置
花の寺として知られているが
この時期は千両 万両 蝋梅と
少々さみしかった。
   

 ○興聖寺

曹洞宗の名刹 座禅の修行道場としても有名。
山門に至る「琴坂」は宇治十二景の一つに数えられる紅葉の名所。もみじのトンネルは一見の価値あり。
山門は漆喰塗で中央をアーチ型に開けられた竜宮造りは印象的だった。
本堂の天井は伏見城落城の遺構で作られ 血染めの跡が残る。
   

 もう一つの世界文化遺産


 ○宇治神社・宇治上神社

隣接する宇治神社と宇治上神社とは明治時代まで二社一体であった。
祭神は 応神天皇(父) 仁徳天皇(兄) 菟道稚郎子(うじのわきいらつこ・弟)。
宇治上神社の本殿(1060年)と拝殿(1215年)は国宝で 本殿は我が国最古の神社建築 世界文化遺産でもある。
三棟の内殿を一列に並べ覆屋で覆った特殊な形式の建物は これまで見たことが無かった。
   

 ○桐原水(きりはらのみず)

宇治七名水の一つ。ただし六名水が枯れてしまい 残っている唯一のもの。

平等院の見学の後だけに 派手な色彩や装飾の無い宇治上神社には 静寂と清らかな空気が流れているように感じた。ここで一年の安全と健康を願い 手を合わせた。



 集合写真