UP 2017.5.22 kita
神戸市立森林植物園

 明治中期まで大部分がはげ山だった六甲山に「六甲の山並みと自然を背景に針葉樹を林として植栽し、四季を彩る落葉樹や花木を添える」という構想のもと1940年に神戸市立森林植物園は開園された。総面積142.6ヘクタールの広い敷地のなかで、六甲山をはじめ日本の代表的な樹木や世界の樹木約1200種の木本植物を中心に自然の樹形をそのままの姿で見せる植物園となっている。

 当日は素晴らしい五月晴れで少々汗ばみながら、北鈴蘭台駅に集合した。そこから無料送迎バスで植物園に到着。正門をくぐるとメタセコイアとセコイアメスギ、ラクウショウの大木の下はひんやりとしていた。ここで、2班に別れ、ボランティアガイドの三宅さんと大地(おおち)さんに付いて自然観察に出発した。少し前にシャクナゲの花期が終わり、ツツジもコバノミツバツツジの花は済んでいたが、モチツツジとヤマツツジは咲いていた。一番最初に咲くアジサイというコガクウツギもあちらこちらで白い花を咲かせており、涼しげだ。夏は白い花が多くなるらしい。私たちだけなら見落としてしまいそうな花もガイドさんのおかげでたくさん見ることができる。
 今年は少し早いらしいが、ハルゼミの鳴き声が頭の上から聞こえてくる。
 ジャコウアゲハも忙しそうに飛びまわっている。




コガクウツギ
神戸森林植物園HPより

モチツツジ
花のがく、葉がねばねば

カヤラン
常緑樹に着生し、気根を出す


カマツカ

オニグルミの雌花

マルバウツギ

 お昼になり、長谷池の近くでお弁当を広げ、のんびりとお昼ご飯。初夏の新緑はすがすがしい。午後からは長谷池のそばのラクウショウの気根(水辺では根が呼吸できず地上に根をのばす)やカキツバタの花を見て「香りの道」へ向かう。途中、何本かのクマノミズキがキアシドクガの食害にあって丸裸になっている。また、マルバアオダモの木は蛍光物質が含まれているそうで、実際に枝をペットボトルの水に漬けていただいたら、なるほど、すぐに青くなった。
 しばらくして、ガイドさんが「何かいい香りがしませんか」と言われると、甘い香りがただよってきた。昨日はまだ蕾だったそうだが、今日はホオノキが見事な大きな白い花を開いていた。ホオノキの花には雌性期と雄性期があるそうで、1つの花は3日~4日で枯れてしまう。しかし、花をずらして咲かせることで、1本の木の開花期は長いそうだ。
 そろそろ集合の時間が近づき、「リガの森」「天津の森」「ブリスベーンの森」「シアトルの森」を通って、2時半ごろ正門にもどってきた。



ラクウショウの気根
 

長谷池に咲くカキツバタ
葉に中脈がない 

ホオノキ 咲いて1日目の雌性期
(めしべが開きおしべは閉じている)




植物園マップ 黒線が歩いたコース

 一日中良いお天気で、背中にうっすら汗をかいたが心地よかった。ガイドの三宅さん、大地さんのていねいな説明にお礼を言って解散となった。最後にカフェで売られているソフトクリームを食べた。濃厚でとてもおいしかった。

その他、見られた花(記録したもののみ)
キンラン ギエビネ ユキモチソウ ベニドウダン ヤブデマリ オオデマリ ヒメコウホネ ハクウンボク ノダフジ セイヨウシャクナゲ エニシダ ハンカチノキ(白い花のように見えるのは苞で花は中心に付いている紫の部分。雨風から花を守るだけでなく、フラボノイドという成分が多く、紫外線からも守っている)

全体の集合写真