UP 2018.1.15 kita
新日鐵住金株式会社交通産機品事業部製鋼所工場見学&海遊館見学

新日鐵住金株式会社交通産機品事業部製鋼所見学

新日鐵住金株式会社交通産機品事業部製鋼所概要
所  在  地: 〒554-0024 大阪市此花区島屋5丁目1番109号
事 業 内 容: 鉄道車両品、自動車・建設機械品、産業機械品の製造・組立
従  業  員: 1,300人
工場敷地面積: 482,634㎡
建 家 面 積: 230,241㎡

 当製鋼所は、鉄道・自動車・船舶など交通に関する重要部品と産業機械品の設計、加工、組立てまで一貫した品質管理体制のもと特徴ある製品をつくり出している。1901年に日本で最初の民間鋳鋼工場として開所した。100年以上の歴史を持ち、鉄道用車輪・車軸、自動車向け鍛造クランクシャフトの製造拠点となっている。

 主要製品は、国内シェア100%を誇る鉄道用車輪・車軸と、世界シェア約12%の自動車用鍛造クランクシャフトで、現代の主要輸送手段である鉄道と自動車の重要部品の製造を行っている。

 世界最大級の16,000トンプレスラインをはじめ5ラインから生まれる自動車部品は、国内はもちろんのことアメリカのビッグ3など欧米の自動車メーカーからも高く評価されている。その製造ラインを見学させていただく。

 9時30分にJR安治川口駅に集合し、工場まで約15分徒歩で東門に到着。入場手続の後講義会場の社員クラブAホールに案内された。

 総務部長さんの説明とビデオにより、工場概況の講義を受けた。そのあと見学準備の説明とヘルメット、保護メガネの着用と説明用のイヤホンを装着した。今日は今冬最低気温を記録し、低気温対策として防寒衣と軍手も用意していてくださった。


新日鐵住金東門

会社の概要説明

製品の市場占有率、鉄道車軸は100%

用意されたヘルメットや防寒衣

工場見学はバスで

はがね歴史記念館見学

永久磁石式カーリターダ

自動車のクランクシャフト

新幹線試験用の台車

 10時30分いよいよ工場見学用のバスに乗り込み、型鍛造品工場に到着した。16,000トンプレスラインの見学だ。あいにく今日は製造品種の切り替え日でプレスの稼働は止まっていたが、巨大な高速鍛造プレス設備を直近で見学できた。プレス時の迫力を想像することが出来た。

 続いて輪軸熱間工場に移動し、鉄道車輪用車輪・車軸などを製造している9,000トンプレスラインを見学した。ここはまさに稼働中で迫力ある製造状況を見学しながら、担当者の懇切丁寧な説明を受けた。加熱された鋼片が9,000トン水圧プレスで鍛造され、鉄道用車輪に成型されるまでの工程を見学。プレス設備のオペレーターは若い女性だ。女性が製造現場に進出してきている。本人の強い配置希望があったらしい。

 工場は24時間稼働体制で、交代勤務で管理に当たっている。ヘルメットの色により習熟度を区分している。白ヘルメットは3年以上の経験者、オレンジヘルメットは3年以下の社員ということだ。物づくり現場の最前線の安全面、技術知識の教育と伝承に配慮しているとのことだ。

 場内バスによる移動途中で車輪の半製品、完成品が無数にストックされているのが確認された。メーカーによって形状の違い、消耗品であるための定期交換が必要となるため、そのストック管理がメーカーを下支えしているのだろう。

 最後に台車工場で鉄道車両用台車組み立てラインを見学した。新幹線の台車も製造されている。この工場の新幹線台車のシェアは20%で、その他公営、民鉄の台車のシェアは70%ということだ。

 工場見学が無事終了し、2001年に製鋼所100周年を記念して開設した「はがね歴史記念館」で、製鋼所の歴史に関する展示物と製品群を見学した。外壁に蔦が這う本館に設置されている。

 12時15分。予定時間を少し過ぎて、再び社員クラブAホールに到着した。まとめとして工場の環境対策の講義を受けた。近年、近隣に高層マンション、ホテルが多数建設され、都市型工場として地域住民との融和を考えている。質疑応答の後予定時刻に見学会が無事終了した。


はがね歴史記念館、本館前にて

 感想として、身近な自動車・鉄道の交通機関用の重要な鉄素材を使った製品が環境も配慮した上、如何に作成されているか知る事が出来大変有意義だった。ダイナミックなものづくりの現場に感動し、日本の技術力の高さを再認識できた。また工場内のすみずみまで整理整頓が行き届き都市型工場として苦心していることが窺えた。あっという間に時間が過ぎた見学会で、参加者から自然に真心のこもったお礼の拍手が沸き上がった。そのあと社員クラブで用意していただいた昼食をいただき、予定通り13時00分次の目的地「海遊館」に向かった。

天保山渡船乗船

 桜島駅から徒歩15分で天保山渡船場に到着して、14時00分発の渡船に乗った。あか抜けた白人の男女が乗っていた。USJへの通勤に利用しているらしい。


天保山渡船場から海遊館を望む
    
渡船

海遊館見学

 天保山に到着後徒歩で海遊館に到着したのは14時10分ごろになっていた。入場前に集合写真を撮り、団体割引で入場した。入場後は興味に応じて自由な個人見学とし、入り口で解散となった。


海遊館前にて

 海遊館は太平洋を取り囲む「環太平洋火山帯」と、たくさんの生き物が暮らす「環太平洋生命帯」の二つのリングをコンセプトに、できるだけ忠実に自然環境を再現している。生命のすばらしさや不思議さ、そして自然環境の大切さを感じてもらいたいとパンフレットに記されていた。

 有名なイギリスの科学者であり、作家であり、環境主義者であり、未来学者であるジェームズ・ラブロックが提唱した、地球と生物が相互に関係し合い環境を作り上げて、「地球とそこに生きるすべての生き物は互いに作用しあうひとつの生命体である」という「ガイア仮説」をテーマにしている。

 入口を入るとアクアゲートがあり、まるで水中を歩いているような感覚で進んだ。平日なのに客が多い。親子連れ、外人観光客で賑わっている。

 館内は8階建てだが、ゆるやかなスロープになっていて階段が少ないので、シニアにはやさしい。知らない間に歩行の歩数も増え疲れた。約1時間半の見学で引き上げることにした。海を中心に生物が互いに結び付いて生きているのを実感し、自然環境の大切さを感じる事が出来た。それぞれが興味に応じて自由解散で帰途に就いた。


イカとマンボウ

イワシの大群

イワトビペンギン

ジンベエザメのエサやり

タカアシガニ

ワモンアザラシ