UP 2019.9.10HRY
川西市明峰小学校3年生 環境学習支援
猪名川 水生生物を調べよう
■日時:令和元年(2019年)9月2日(月) 9:00〜14:00
     天気 曇時々晴れ 気温 25℃〜31℃
■集合:8:30川西能勢口駅(現地9:00)
■活動場所:川西市 猪名川ドラゴン公園「せせらぎの水辺」
■対象:川西市明峰小学校3年生148名(1組〜5組) 先生6名
■スタッフ:30名(自然と環境科7名、そら組19名、西淀自然文化協会4名)
  ・総括:樋口(自然と環境科代表)/補佐:池尾(そら組代表)、鳥井(生き物調査会)、村瀬(自然と環境)
  ・写真:平山、木谷、村瀬(さ)
  ・監視・タイムキーパー:兒玉、佐々木、遠藤
 水辺の生きものを調べることによって、その水辺の環境を知ろう。森林や公園と違ってどんな生き物が棲んでいるでしょうか。環境学習は猪名川中流域の猪名川ドラゴン公園「せせらぎの水辺」での生き物調べです。小川に入り、水辺に棲む生き物を捕獲して、観察し、ハンドブックを見ながら同定します。前日から水量が急減し、生き物を見つけることができるか心配しましたが、小魚や小さなエビなどをたくさん捕まえることができました。児童にとっては有意義で思い出深い環境学習になったことと思います。

≪猪名川ドラゴン公園前せせらぎの水辺≫
                           スケジュール

  9:00 スタッフ集合、ミーティング、現場確認・試験捕獲
 10:00 児童ドラゴン公園到着
      組・班別整列(5組各A,B班)
      挨拶/樋口総括
      学習目的・諸注意/鳥井・村瀬
      集合写真撮影
 10:30 捕獲作業 組ごとに出発・川に入り生き物捕獲
 11:30 捕獲終了・引上げ
 11:40 捕獲生物の同定作業(組ごとにまとまり、資料:猪名川水質調査ハンドブック) 
 12:30 昼食
 13:20 まとめ、アメンボの実験、児童感想発表
 13:55 児童解散帰校
 14:00 スタッフ解散
1.準備
 スタッフミーティングでは、スケジュールや実施要領、役割分担などを打ち合わせた後水辺に赴き、危険個所のロープ張りや試験捕獲することとしました。ところが本流の流れは激しいものの、生き物調査のせせらぎは前日の下見と打って変わり水量が激減し、水たまり状態となっていました。急遽、スタッフ総出で導水路を掘るなどして本流の水を引き込み、何とかせせらぎを作りましたが、生き物を見つけられるかどうか心配です。試験捕獲でも小さなエビ類が少しありましたが魚類はあまり期待できません。学校から捕獲用具などを運んでこられた校長先生も川の様子を心配そうに眺めておられました。

水辺を視察する校長先生
2.はじめに
 担任の先生の引率で明峰小学校3年生150名がやってきました。学校から5キロ程のみちのりを歩いてきたとのこと元気いっぱいです。安全に気を付けて、一人1種類は必ずつかまえよう!と挨拶。集合写真を撮影して水辺へ向かいます。

全員集合

代表挨拶 安全に気を付けて

一人一匹は捕まえよう!
3.生き物探し
 児童たちは小さな網とペットボトル容器を持って指導担当者と共に次々にせせらぎへ入り、各組それぞれの場所へ移動します。児童たちは嬉々として、川へ入りますが、小さな水溜り状態なのでみるみる児童でいっぱいになってしまいます。それでも、小岩を動かし、草むらをかき分け網をふるいます。金魚すくいのような小さな網ではなかなか生き物は掴まりません。スタッフの用意した大型網は威力を発揮します。そのうちに、メダカだ!エビだ!とあちこちで歓声が上がります。組ごと捕獲場所を交代します。約1時間後引き上げの合図があったころにはペットボトル容器にはしっかりと小魚やエビなどが入っています。 スタッフもホッとしました。

水辺に向かう児童

水辺の生き物を探す児童

4.生き物調べ
つかまえた生き物は組ごとにペレットに移し、ハンドブックを見ながら同定していきます。わからない生き物はスタッフが各組を巡回しながら指導していきます。人気があるのはモクズガニです。3匹も捕まえました。
同定作業
「主な生き物」
どんな生き物が見つかったでしょう。メダカに似たオイカワの稚魚、エビが多かったようです。筆者のメモや写真から拾い上げてみました。ほかにもあったことでしょう。
さかな・カニ ・エビ
@オイカワ Aカマツカ Bカワヨシノボリ Cフナの仲間 Dドジョウ Eスジシマドジョウ Fサワガニ Gモクズガニ Hミナミヌマエビ Iスジエビ
その他の生き物
@オタマジャクシ Aコシマゲンゴロウ Bアメンボ Cカワニナ Dスッポン Eトンボのヤゴ Fヒル

オイカワ

カマツカ

カワヨシノボリ

モクズガニ

コシマゲンゴロウ

スジシマドジョウ

スジエビ

ミナミヌマエビ

トンボのヤゴ

スッポン
5.分かち合い
全員集合して、本日つかまえた生き物を確認しあいました。また、アメンボの実験では、洗剤など生活排水で汚れた川ではアメンボが棲めないことがわかりました。川に物を捨てたり、洗剤や油を流してはいけませんね。

どんな生き物が見つかりましたか

アメンボの実験(中性洗剤を入れるとアメンボは沈んでしまいました)

児童の感想発表
6.終わりに
短い時間の中でも、はじめの約束通り全員一匹はつかまえたようです。

児童たちからは
 「いろいろな生き物がたくさん見られて、わからないことがわかった」
 「モクズガニを捕まえられてうれしかった」
 「ヌマエビをたくさん捕まえた、つかんだらぬるっとした」
などの感想発表がありました。

捕獲した生き物を川に返してあげました。 最後にスッタフの皆さんに感謝の言葉があり、本日の環境学習を終えました。
7.感想
 川辺に降りて愕然。前日の下見と違って水流がなくなり、これでは生き物は見つからないのではないか。しかし導水路をつくるなどして何とかせせらぎをつくり上げました。児童たちはこんな小さな水辺でも嬉々としてはしゃぎまわり、容器には小さいながらも生き物がしっかり入っています。杞憂に終わったことを喜びました。川といえば魚と思ってしまいますが、水辺にはこんなにたくさんの生き物が棲んでいるんだということがよく分かったことと思います。この学習が「自然に関心を持ち、自然を愛し、自然を大切にする」心につながることを願います(筆者)。

スタッフ一同

村瀬スタッフの調査レポートはこちらです。
文・写真/平山、資料/村瀬、編集/平山 
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