UP 2019.10.12 Utm
「神戸植物防疫所」と「動物検疫所」見学


  
1.神戸植物防疫所見学

・10:00 JR三ノ宮駅中央口に集合する。昨晩、雷や雨が降り心配されたが、好天で風は心地
 よいが、日差しは強く暑いほどだった。参加者の確認をし、波止場町の神戸第2合同庁舎まで歩く。
 20分程だが、神戸の三宮センター街や旧居留地界隈の裏道を歩き、木陰で気持ち良い行程だった。
・「合同庁舎」10:35到着。植物防疫所 調整指導官の「柏 儀幸氏」の迎えあり、7階の会議
 室に案内される。

 1) DVDによる「植物防疫所の仕事」の内容を見せてもらう。
  ◎国際植物検疫   
   ○植物防疫所の仕事は、植物の病害虫が海外から日本へ侵入することを防ぐために「輸入検査
     ・輸入植物の検査  ・隔離検疫  ・海外検疫       
   〇同様の目的で輸出相手国から要求される植物検疫条件に対応する「輸出検査」を行っている。
     ・輸出植物の検査  ・輸出植物栽培地検査       
  ◎国内植物検疫 :国内で病害虫の蔓延を防ぐために様々な対策
   〇国内の種苗検疫  〇特殊病害虫対策  〇侵入警戒調査  〇緊急防除
   *植物防疫所には専門的な資格を有する植物防疫官を配置している。<植物防疫官900名>
  ◎海空港を中心とした全国ネットワーク
   植物防疫本所5か所<横浜・名古屋・神戸・門司・那覇>あり、管轄下の中に
   支所16・出張所36・駐在5か所ある。
  ◎高度な植物検疫を行うための調査研究を続けている。
   ・病害虫リスクアナリシス:リスクに応じて検疫方法の決定に関して調査研究
   ・害虫に関する調査研究:世界各地に発生している害虫の生態や被害が不明な害虫の各種調査・
    開発
   ・植物病原体に関する調査研究     ・消毒技術の開発    ・検疫データの整備
   *研修センターでは、植物検疫業務に必要な植物学、応用動物昆虫学、植物病理学、農薬学、
    消毒技術、植物防疫行政、貿易などの広範囲な知識や技術取得、海外対応の語学などカリキュ
    ラムが年間を通じて組まれ、的確な業務ができるように研鑽しているとのこと。

 2) 害虫のサンプルとして、顕微鏡で植物につくセンチュウ・ミバエ・カビなどを見せてもらった
   り、質疑に応答してもらう。
   害虫から日本を守るために頑張ってください!と声かけて防疫所を出る。

 

2.動物検疫所神戸支所見学

・阪神元町駅付近で各自昼食を取り、13:15阪神元町駅集合。13:21元町駅より春日野道
 駅へ(2駅目)
 春日野道駅より歩いて15分「神戸防災合同庁舎」到着。2階の会議室に案内される。
動物検疫所 神戸支所 「次長 相田義勝氏」より説明案内を受ける。

 1) DVDとパワーポイント資料による説明を受ける。
   ・動物の伝染病が日本に持ち込まれると日本の畜産や公衆衛生に大きな被害をもたらす可能
    性がある。
   ・そのため、動物や肉製品などの畜産物を国内に持ち込む前に必ず動物検疫を受けなければ
    ならない。
   ・以下の各法律の規定に違反して持ち込んだ場合、罰則が適用される。


  〇輸入
    ① 畜産物:輸入禁止品を国内に持ち込んではいけない
       肉・ハム・ソーセージなどは法律でほとんどのものが日本への持ち込み禁止
    ② 持ち込む場合は、検査証明書が必要!
       輸入禁止品以外でも、輸出国政府機関が発行する検査証明書の取得が必要です。
       ビーフジャーキーなど免税店で購入したものでも、別途検査証明書が必要
    ③ 輸入検査手続きの流れ
      1.入国検査を終え、荷物を受け取ったら、税関手続きの前に動物検疫カウンターに
        行く。
      2.検査官が畜産物及び輸出国政府機関発行の検査証明書を確認。
      3.問題なければ、そのまま帰ることができる。
      *検査の結果不合格となったもの、動物検疫の検査前に開封したものは、
       日本に持ち込むことはできない。
    ④ 犬・猫の場合
      1.日本到着の40日前までに到着予定港、空港を管轄する動物検疫所に届ける。
      2.動物検疫所から交付された届受理書を受け取り、現地を出発する際、携帯する。
      3.輸出国政府機関発行の検査証明書を取得する。
      4.日本到着後、入国審査を終えペットを受け取ったら、税関手続きの前に動物検疫
        カウンターに行く。
      5.輸入検査申請書記入し、検査官が届け出受理書、輸出国政府機関発行の検査証明
        書及びマイクロチップの確認などの輸入検査を行い、問題なければ12時間以内
        に解放。
      *書類に不備がある場合、動物検疫所の施設で最長180日間の係留検査が必要とな
       る。
      *犬については検査証明書がないと日本に持ち込むことはできない。
    ⑤ 動物
      ・伝染病にかかっていないことを証明した輸出国政府機関発行の検査証明書の取得が
       必要。
      ・水産動物:農林水産大臣の輸入許可が必要なものがある。
        〇対象水産動物(すべての成長段階が対象)
          金魚などのふな属魚類、こい、さけ科魚類、まだい、くるまえび、てながえ
          び、あきあみ、あわび、ほたてがいなど
         *生きているもののうち、食用であっても対象となる場合がある
         *養殖用の餌にする、生きていないものも対象!
  〇輸出
    ・動物や畜産物を日本から持ち出す場合も輸入時と同様に空港又は港にある動物検疫所で
     の検査が必要!
    ・在京の大使館に輸出先の受け入れ条件を確認の上、動物検疫所に相談してください。
  ○検疫探知犬:動物検疫の検査を受けずに肉類を持ち込む人がいる。検査探知犬はこれらの畜
     産物を介して動物の伝染病が国内に持ち込まれないように、荷物をチェックします。
     どうぞご協力お願いします。
  〇動物検疫所の所在地  農林水産省に属する
     横浜支所・成田支所・羽田空港支所・中部空港支所・関西空港支所・神戸支所
     門司支所・沖縄支所
      各支所の管轄下に出張所、分室、係留施設など
     本所1、支所8、出張所18、分室3など国内に施設を置いている。

 2) 質疑応答
     ・検疫官は何人いますか?
        481名 2019年度  畜産課・獣医の資格を持った人もいる。
         研修を受け試験合格となり、「家畜防疫官」となる。
        生きた動物を検査する場合は獣医の仕事になる。
     ・トンコレラ、鳥インフルエンザなどの予防は?
        動物の死体発見から、糞などの検査でウイルスを見つけることになり、感染廟に
        関しては難しいが、見つかった場合の周知徹底で、消毒を中心に蔓延しないよう
        に連携を強くしている。
     ・感染症に関して
        人にうつった場合は、厚生労働省、環境に関しては、環境省、そして農林省と専
        門分野で分かれている。
        海外旅行の時は気を付けてください。声かけをお願いします。
     ・いろんな質疑に誠意をもって答えていただき、感謝して終了する 。