観察会記録(2016年 7月度)

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能勢妙見山の樹木と山麓の里山観察

観察日:平成28 年 7 月15 日(金)  時間:5時間25分  天候:曇り一時雨

コース能勢電鉄ときわ台駅→黒川ケーブル駅→山上駅→ふれあい広場→エドヒガン・台場クヌギの径
     →ふれあい広場(昼食)→ブナ林・能勢妙見山本殿→上杉尾根→能勢電鉄妙見口駅


参加者:14名

コースタイム:9:45「ときわ台駅」→10:15「妙見口駅」→10:50「黒川ケーブル駅」→11:03「山上駅」
     →11:16「ふれあい広場」→エドヒガン群落と台場クヌギの径を散策→12:00「ふれあい広場」昼食
     →ブナ林→13:30「能勢妙見山」→上杉尾根→15:30 妙見口駅にて解散散(14:20)
「観察会概要」

 ときわ台駅の駅舎に巣を作っていた、巣立ち間近の燕を見ているうちに本日参加の14名が集合。Nさんより本日のコースの説明を受けた後、まずは妙見の森ケーブル乗り場黒川駅に向かい歩き始めた。
  歩きながらNさんより、当地域のときわ台、光風台、黒川などに鉱山があり、古くから採掘されており、東大寺の大仏の鋳造に使われたと伝わること、クマの子を飼育していることで話題となった高代寺の話(この地区はシニア自然大学校での展葉調査を実施している。)や伐採されたクヌギ林の風景などの話を聞きながらゆっくりと歩くと30分ほどで妙見口駅に到着した。
 ここでトイレ休憩をとり、更に「花折れ街道」と粋な名前の道を進み、30分ほどで黒川ケーブル駅に到着した。
 妙見の森ケーブルは全長666m、高低差229m を5分で山上駅に到着する。車窓からは日本一と云われる里山景観が見られます。走行途中に山側で鹿を数頭みることができました。(いつものことのようです。)
 山上駅からいろは坂という道を少し登るとふれあい広場に到着。ここには「シグナス森林鉄道」、「山上ブランコ」、「かわらけ投げ」、「アスレチック」、「バーベキューテラス」などの施設があり、子供達も喜びそうな場所となっています。
 シグナス森林鉄道の線路脇から 桜谷に入り、 エドヒガンの小径を散策。最初に 水琴窟の表示があったで、聞いて見る と全く音がしなかった。現在調整中とのことで残念でした。 続いてエドヒガン、オオシマザクラ、イヌザクラなどを観察しながら歩いた 。このエドヒガン群落は川西市指定天然記念物とのことです。

 台場クヌギの小径に向かう手前で立派な炭窯跡があり、 昭和30年代まで使われていたとの説明があった。黒川炭焼きは宮中のお茶会用として発達、江戸時代 には一庫炭(池田)という名で全国広まったが、現在では1 軒を 残すのみだそう です。
 エドヒガンの小径を25分ほど歩き、炭窯跡をすぎると台場クヌギの小径となり、あちこちで伐採された切株や、そこから成長した台場クヌギをみながら、ふれあい広場への登り道を登った 。この森は林業遺産に認定されており、広場まで15分程度である。

 小径を登りきると、北極星入口の看板と天に上るかのような線路がみられた。これは能勢電鉄の100年前の駅風景をモチーフにした北極星行の駅をアート作家の鈴木貴博氏とともに制作されたものです。 又線路の向こうには写真のような風景が見られました 。
 エドヒガン・台場クヌギの小径の散策を終了後、ふれあい広場にて昼食を摂り、能勢妙見山へ向かう前に記念撮影した。

 下は熊よけの鈴と笛です。熊の目撃情報があったとのニュースをうけ、念のためにSさんが準備 されたものですが幸いにも必要なしでした 。
 昼食後、妙見の森リフト脇の道をリフトには乗らずに歩いた 。なだらかな登り道を15分程度歩くと、リフトの降り口についた。そこには沢山のアジサイが花を咲かせていました。

 更にブナ林に入り、能勢妙見山へ向かった 。日本のブナ林は、通常1000 m以上の山に生育するが、妙見山のブナ林は660mと低い山に生育していることから、珍しいとされており、大阪府指定天然記念物です。幹回 り2m以上のものが約100本あるとのことです。
 13:30に能勢妙見山本殿に到着。この能勢妙見山は日蓮宗霊場で、開運の守護神である「妙見大菩薩 」が祀られている。又信徒会館星嶺は「星」と「矢筈 」をモチーフに、ガラスと木で構成されたもので、特徴的な外観は目を見張るものでした。





 我々は能勢妙見山本殿の裏側から入ったが、上杉尾根を下る為、表参道にでた。こちらが正式な入口である。この入口には北極星の守護する星として、北斗七星と輔星の8つの星があるといわれ、又古来より仏神に馬を奉納することは功徳甚大といわれ、願い事を叶えて貰う為に馬を奉納する習慣があった。それにちなんで妙見さんを守護する馬の銅像が8体設置されていた。
 下りは大きな駐車場から 上杉尾根の道です。最初は人工林の中を、途中植林したばかりで保護具をつけられた植物を見ながら、なだらかな道を下った。途中黒川の集落や変なお地蔵さんを見て、1.5 時間歩き妙見口駅に到着。ここで解散した。
 右はNさんに提供して頂いた歩行記録マップです。距離は約10 qでした。登りはケーブルであり、ふれあい広場の散策や、妙見山本殿への道は急なところはなく、比較的楽なコースでした。子供もたのしめるところもあり、あらためて孫をつれてきたいと思った。本日はあまり暑くなく快適に歩くこと ができ、満足な一日でした。Nさん、有り難うございました。